【経営理論】ジェイ・バーニーのRBV【3分解説】

 【2022年9月17日更新】図解・装飾の追加により記事内容をわかりやすく編集しました。

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■第2章 ジェイ・バーニーのリソース・ベースド・ビュー(RBV)【基本編】

ジェイ・バーニーとは何者か?

元ユタ大学教授のジェイ・バーニーという人物。1990年にジャーナルオブマネジメントに発表した論文でリソース・ベースド・ビューを体制化した。バーニーの最大の貢献はそれまで様々な視点から議論されていた企業リソースの活用の視点を1つの理論にまとめた。

リソース・ベースド・ビュー(RBV)ってなんの略?

Resorce-based-viewの略称。第1章のSCPが製品やサービスに着目するものに対し、RBVは企業リソース(経営資源)に着目する理論である。

企業リソースっってどんなものがあるの?

企業における人・モノ・金に代表されるようなリソースがある。

具体的には、個人の能力や労働時間、企業の資金や資材、供給源など資源全般のこと。立地や技術も該当する

RBVを学ぶとどう活かせる?

企業内部のリソースの活かし方が分かる。つまり、企業リソースに価値があり希少な時に企業は優位性を実現し、模倣困難な時に持続的な優位性を発揮する戦略を考えられる。

企業リソースの代表例は人材や技術、スキルが該当すると述べた。かつて、優れたる企業と言われていた企業というものは、圧倒的な技術力があった。。ということは文句のつけようが無い。特に医療業界では、リソースの中でも「立地」といったものが重要になってくる。

ここまでのまとめ

RBVは企業リソース(経営資源)に着目する理論であり、その企業リソースに価値があり希少な時に企業は競争優位性を実現し、模倣困難な時に持続的な優位性を発揮する。
 
学長
ポイントは「競争優位性」と「持続的な優位性」というキーワードが重要ですね。

■リソース・ベースド・ビュー(RBV)の理解

バーニーの世界で有名な論文の概要

1991年 “Film Resources and Sustained Competitive Advantage”

https://www.emerald.com/insight/content/doi/10.1016/S0742-3322(00)17018-4/full/html

上記の論文に全てのエッセンスが詰まっている。

それまで、沢山の人が様々な企業リソースの活用について語ってきたが、バーニーが最終的にまとめた1990年の論文提示した前提から説明する。この当時の時代背景とも密接に関係している。

 1、企業リソースの異質性(resource heterogeneity)

 2、企業リソースの不完全移動性(resource immobility)

この2つの論文は特に重要である。

要するに、企業は其々の企業毎に異なる資源を持っているということ。人も違ければ、技術力も異なるというイメージだ。そのため、完全に企業間でリソースは移動することもない。ということが前提の条件になっている。

ポーターのSCPの上記のような欠点をついて論述している。SCPの成立にはリソースの異質性と不完全移動性が不可欠なことが前提であり、無視しているSCPは十分ではないという論調である。

バーニーは仮に他社が参入障壁を築いていたが、自社のリソースが他社を完全に真似でき、優れた人材や資源を持っていた場合は、完全に同じことができるはずと言っている。

バーニーを理解するポイントは「競争優位性」と「持続的優位性」の述べたが、これからそのポイントをご紹介する。

①「競争優位」を実現する条件

  1. 価値があること 
  2. 希少であること

この2つの条件を持つことが企業が競争優位性を発揮するための条件である。つまり、みんな同じリソースを持っていたら希少でもないし、価値もない!!といったことである。

②「持続的優位性」を実現する条件

  1. 模倣困難
  2. 代替が難しいこと

模倣困難で代替が難しいとはどういうことか。企業が時間をかけて蓄積したリソースと因果関係が非常に曖昧なもの、人間界系や社会関係などの複雑性が絡むときに上記のような状態になる。

ここまでのまとめ

競争優位性と持続的優位性が重要なキーワード。企業リソースに価値があり希少な時に競争優位を実現する。また、模倣困難で代替が難しい時に持続的な競争優位を実現する。

RBVへの批判

ここまで、バーニーを述べてきたが実は批判が多数存在する。

以下が特徴的なレビュー論文だ。

2007年 米国のビラノバ大学のスコット・ニューバートの論文である。

なんと、RBVを支持するorしないが半分に分かれてしまったのだ。それが原因で批判が高まっている。

RBVが持つ課題

RBVが主に持つ課題は3点ほど存在する

1. 理論としての不完全性がある

課題1 :RBVは同義反復

トートロジーに近い状態になってしまっている。どういうことかというと、普通な人=普通と言っていることと大差ない

2. 実務への応用の難しさ

課題2:RBVは部分均衡である

価値のあるリソースはアウトプットを市場に大きく左右されてしまう。

経済学ではリソース側とアウトプット側のように複数の市場の関係性を整合的に分析することを部分均衡という。

課題3:RBVは論理があまりに飛躍する

RBVは突き詰めれば「リソース」 → 「競争優位」と言う実に簡単な因果関係を述べているに過ぎない。

その間がないため論理の飛躍があまりに過ぎるのではと言われている。

近年の経営学者のリソースを組み合わせて活用する企業の能力として「ケイバビリティ」と言う概念を掲げている。

RBVは現実の社会で応用が難しい?

第一章で述べたポーターのSCP理論には、極めて分かりやすいフレームワークが存在している。企業リソースの特定、すべての企業がバリューチェーン分析を提案している。

 ※企業の機能を価値創出の流れに沿い、どこに自社の強みがあるか検討するフレームワーク

SCP理論には綺麗に完成されたフレームワークがあるがRBVにはフレームワークが非常に乏しい

RBVはフレームワークが貧弱

RBBはフレームワークが貧弱であるといわれている。

フレームワークが貧弱なせいで一般的にRBVの理論が自在に扱っていると思われにくい。つまり、メッセージ性が弱い印象がある。

企業はこうすべきと言う明確なメッセージが得られるかと言われるとイマイチピンとこないことに課題がある。つまり、具体的にアクションとして何をすべきかわからないのだ。RBVはこの点が課題となる。

ここまでのまとめ

SCP理論には綺麗に完成されたフレームワークがあるがRBVにはフレームワークが非常に乏しい
 
学長

RBVは一見すると使いにくいかもしれません。しかし、競争優位と持続的優位性を実現するために重要な理論であります。しっかり習得しましょう。

まとめ

今回は、ジェイ・バーニーのリソース・ベースド・ビューについて紹介しました。

【総まとめ】

RBVは企業リソース(経営資源)に着目する理論であり、その企業リソースに価値があり希少な時に企業は競争優位性を実現し、模倣困難な時に持続的な優位性を発揮する。

・RBVに対する課題から実運用が難しい

・SCP理論には綺麗に完成されたフレームワークがあるがRBVにはフレームワークが非常に乏しい。

まとめ:「競争優位」を実現する条件=①価値があること ②希少であること / 「持続的優位性」を実現する条件 ①模倣困難 ②代替が難しいこと が条件であり、RBVのエッセンスを凝縮したまとめである

最初の壁となるジェイ・バーニーの経営理論を学習してまいりましたが、ハードルが相当下がったと感じていただけたでしょうか。全く苦にならないレベルと感じていただけたら幸いです。

これから経営理論を学びたい初学生の方の登竜門とも言える理論ですので、ぜひご活用ください!

以上、最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。

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