【経営理論】ポーターVSバーニー論争の結末とは?【3分解説】

 

【2022年9月17日更新】図解・装飾の追加により記事内容をわかりやすく編集しました。

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■第3章 ポーターVSバーニー「競争の型のまとめ」【基本編】

ポーターとバーニー両者の共通点は?

お互いの理論は「完全競争」→「独占」に自社の環境や強みを持っていくことが望ましいとする点で共通している。

・ポーター:製品サービス市場でのポジショニングや業界構造を考える

・バーニー:製品サービスを生み出すための経営資源に注目する

結論は?

結局、この両者の理論のどちらが正しいかという研究がしばらく続いていたが決着がついたようである。

結論は「両方重要」と言うことに落ち着いている。企業にとって外側の製品やサービスと内部の資源のことは両方大切であるということのようだ。

ここまでのまとめ

結論は「両方重要」。企業にとって外側(製品やサービス)と内部(企業の資源)は両方大切。

■「競争の型」の違いによるポーターVSバーニー論争

バーニーは1986年のTypres of Competition and the Theory of Strategyの論文に3種類の型という形で述べている。

それぞれの型を元にポーターとの違いを見ていこう。

①【IO形の競争】

産業組織論(Industrial Organization)の頭文字をとってI O型と呼ばれる。この理論は、競争が完全競争の状態から離れるほど企業の収益性が高まるといった理論である。

つまり、参入障壁や移動障壁を高める戦略を取りましょうということである。この戦略はポーターのSCP戦略と極めて親和性が高いため、ポーターに軍配が上がる。

②【チェンバレン型の競争】

20世紀のハーバード大学のエドワード・チェンバレンが提示した独占的競争モデルに基づいた競争の考え方である。

この理論は、各企業の製品やサービスの「差別化」を所与として扱っていることがポイントだ。

要約すると、新規参入企業も差別化された商品とサービスを持って参入してくる。結局、差別化されながらも各企業は厳しい戦いを繰り広げていくことに尽きる。現在の企業を俯瞰してみれば当たり前の理論である。

先ほどのIO型の競争と何が違うのか?といえば、IO型の競争は、参入障壁を作って競争を避けることを推奨することに対して、チェンバレン型は差別化がされているのは当たり前の条件で理論を展開していく。実際にどのような差別化を行うことが優位になるかに着目している点が大きな違いである。チェンバレン型でいう「差別化」がバーニーでいう「企業資源」に当たる。

つまり、ポーターVSバーニーはあなたの企業の競争の型によって支持する型が異なるのである。

③【シュンペーター型の競争】

20世紀前半の経済学者 ジョセフ・シュンペーターが提唱した型の競争である。シュンペーター型の競争とは、不確実性に基づく予測のしにくさに基づく理論を展開する。

普段、皆さんが経営をしていて経営の悩みがなぜ尽きないのか?という結論に辿り着くことだろう。それは、我々は将来を完全に予測できないからである。不確実な将来に対して進むべき道をなんとか見つけるために戦略計画が必要となる。

IO型とチェンバレン型を振り返ると、参入障壁を築けば他社は参入してこない。複雑なシステムを組むことによって営業利益は獲得できる。ということが両理論の概要だった。

しかし、この世界は不確実性が高いという現実がある。そんな時に役立つの理論がシュンペーター型の競争というわけだ。

この競争の結論は、「事前に入念に練られた戦略を考えるよりも、色々チャレンジして環境の変化に対応してはどうか」ということが戦略となる。

 
学長
シュンペーター型の競争は、事前に入念に練られた戦略を考えるよりも、色々チャレンジして環境の変化に対応することを伝えてくれている。

■それぞれの競争の型の使い分け

現在は急速にも技術革新が進展していくスピードが速く、それに合わせて顧客のニーズも急速に変わるため将来を予測するのが非常に難しい。3つの型をまとめたが、それぞれをメタ的に俯瞰して考えることが重要になる。

①【IO形の競争】:参入障壁や移動障壁を高める戦略を取ろう

例:飲料業界(参入障壁と移動障壁を築いている)、低価格品と一般品

②【チェンバレン型の競争】:差別化は当たり前。どのような差別化を行うことが優位になるか考える

 例:自動車製造業(すぐれた技術力と開発力で高い競争力を持つ)

③【シュンペーター型の競争】:事前に入念に練られた戦略を考えるより、色々チャレンジして環境の変化に対応する

例:IT企業、ハイエンド製品

重要な視点は上記のような観点である。

新興市場では顧客の多くが望むのは普及品である。そこでは、低価格品は広告販促で広く売り捌き参入障壁を築くのが重要だ。したがって、グローバルな市場では競争はIO型に移行していく。逆にIT業界などハイエンド製品はシュンペーターの競争の型が強まっている可能性が高い。一方で、日本の自動車産業などは競争の型がどっちに進むべきか悩ましいところだ。

統計分析によると世界はシュンペーター型に移ってきている。さらに時代が進むとどの型にも当てはまらない型や複雑性が増した企業が出現してくることだろう。そんな時に自身の企業はどうするかだ。これより先は、複雑性に備えて組織形態をどうデザインするかを考えていかないとならない。トレンドは既に変わっているのだ。

自身の企業がどの競争の型に該当するのか考えてみよう

ここまでのまとめ

統計分析によると世界はシュンペーター型に移ってきている。さらに時代が進むと複雑性が増す為に自身の企業の方向性をどう進めていくかを考えていく必要がある。
 
学長
今後の未来を予測すると、複雑性に備えて組織形態をどうデザインするかを考えていかないとならない。トレンドは既に変わっている。これからどう組織をマネジメントするかを考えていこう。

まとめ

今回は、ポーターVSバーニーからそれぞれの競争の型について紹介しました。

【総まとめ】

結論は「両方重要」。企業にとって外側(製品やサービス)と内部(企業の資源)は両方大切。

統計分析によると世界はシュンペーター型に移ってきている。さらに時代が進むと複雑性が増す為に自身の企業の方向性をどう進めていくかを考えていく必要がある。

まとめ:ポーターとバーニーを考える上でそれぞれの競争の型が存在する。今後は、複雑性に備えて組織形態をどうデザインするかを考えよう。

最初の壁となるポーターVSバーニーの経営理論を学習してまいりましたが、ハードルが相当下がったと感じていただけたでしょうか。全く苦にならないレベルと感じていただけたら幸いです。

これから経営を始めたい、初学生の方の登竜門とも言える理論ですので、ぜひご活用ください!

以上、最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。

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