最近、AIの進化がめざましく、「完全自律型AIエンジニア」DevinやAI搭載の次世代エディタCursorなど、新しいツールが続々と登場しています。
でもいざ実務で使おうとすると、「どの作業にどちらを使えばいい?」と迷うことはありませんか?
私の場合、
- プロダクトの実装・コードレビュー
- Epics・PBI(バックログ)整理
- 採用やチーム間調整
- 社内資料やドキュメント作成
など、開発以外のタスクも盛りだくさん。まとまった時間を確保するのが難しい中、隙間時間にうまく進められるAIアシスタントは大助かりです。
そこで本記事では、DevinとCursorそれぞれの強み・弱みを、具体的なシーンとともに解説します。最適な使い分けのヒントになれば幸いです。
ざっくり要約
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Devinは“お手伝いロボ”のような存在
- Slackで指示すればブランチ作成、実装、PR作成、フィードバック対応まで自動で進めてくれる。
- 「AIに丸投げしておきたい小さめのタスク」が得意。
- ただし課金リソース(ACU)が消耗しやすく、急に大仕事をさせようとするとコスパが悪い。
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Cursorは“パワードスーツ”のような存在
- 自分で操作するエディタにAIが統合されており、大規模な実装やリファクタをガンガン加速してくれる。
- 月額制プランがあり、リソースを気にせずじっくり試行錯誤できる。
- 操作には自分の集中力が必要。腰を据えてコードを書きたいときに威力を発揮。
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両者とも「指示の明確さ」「レビュー体制」「CI/テスト環境」など周辺整備がないと真価を発揮しにくい。
- 特にDevinは「ジュニアエンジニア」と思って扱うのがコツ。
- Cursorは「自分の武器」なので扱い方を学ぶほど強力になる。
Devinの魅力:お手伝いロボが、あなたの隙間時間を増やす
1. Slackだけで自動PR作成&修正
Devinは「完全自律型AIエンジニア」を名乗るとおり、開発フロー(ブランチ切り替え、実装、Pull Request作成、リント修正、レビュー対応)を一通りやってくれるのが最大の強み。
Slackで「このファイルのこの関数を少し変更して」と指示するだけで、いつの間にかPRが出来上がっているのは感動的です。
朝イチに指示しておけば、昼休みにドラフトPRが完成しているという“オートパイロット”感覚は、エンジニアにとって大きな時短。
ちょっとしたブランチ切り替えの手間すら面倒に感じるほど忙しい人には、心強いお手伝いロボです。
2. スクリーンショットも撮ってくれる
さらに、Devinが使うコンテナ上にはブラウザもあり、「ローカル環境を立ち上げて、画面のスクショをSlackに送る」といった操作も指示できます。
これにより、自分のPCでローカルを立ち上げなくても画面が確認できるため、スマホからチャットするだけで進捗を確認&追加修正が可能。
どこでも作業できるのは地味にありがたいポイントです。
3. 頼れるけど“ジュニアエンジニア”扱いが必須
Devinは「Knowledge」という仕組みで、ユーザーからの指示やフィードバックを学習して精度を上げていきます。
ただし、公式ドキュメントにもあるように、「ジュニアエンジニアとして接してあげる」必要があり、不明確な大規模タスクを一括で丸投げするととんちんかんな結果が返ってくることも。
ACU(Agent Compute Unit)の消費も激しくなりがちです。
Cursorの魅力:自分が強化スーツを着たような開発体験
1. VSCodeベースのコードエディタ+AI
CursorはVSCodeをベースに、生成AIを統合したコードエディタです。
「Composer Agent」や「Yoloモード」を使うと、自動修正からテスト、PR作成までまとめて実行でき、AIが書いたコードをその場で確認・修正しながら進められます。
VSCodeに慣れているエンジニアなら、基本的な操作感も近く取り入れやすいでしょう。
2. 月額プランで広範囲リファクタも安心
CursorはPro/Businessなど月額課金プランがあり、大規模リファクタを何度もトライ&エラーするようなときにコスパが良いです。
モデルによっては追加料金がかかる場合もありますが、Devinと比べるとリソース消費がマイルドという声が多いです。
複数ファイルにまたがる設計変更などを、AIと対話しながらじっくり検討したいときには特に強みを発揮します。
3. “自分が動かす”必要がある
Cursorは強力ですが、「パワードスーツ」がそうであるように、自分で操作してこそ意味があります。
集中力を要するタスクは、Cursorを起動してAIの力をフル活用するのが◎。
逆に「自分は別の仕事をしている間に勝手に何とかしてくれ」という用途には向きません。
AIでも難しい場面:大量ファイル修正や複雑ドメインは要注意
1. 単純置換ならむしろ手動のほうが早いことも
- 何百ものlintエラーを一括で潰す
- 古いコンポーネントを大量に置き換える
- 同じ箇所を機械的に文字列変換するだけ
このような作業をDevinに任せると、「エラーを検出→ファイル読込→修正→再チェック」を繰り返すため、あっという間に課金リソースを消耗することがあります。
Cursorでも似たような流れを自動化はできますが、あまりに単純な修正なら自分で一括置換したほうが速いケースがあるので要検討です。
2. ドメイン知識が要る大規模リファクタ
複雑なビジネスロジックや独自のアーキテクチャを含むコードで、実装方針や要件がまだぼんやりしている状態だと、AIは何をどう作ればいいか判断しづらいです。
結局は、テストカバレッジを高めたり、静的解析でルールを厳しくするなどして、AIでも破綻しにくい土台を作っておく必要があります。
3. 非エンジニアがすべてをAI任せにするのはまだ厳しい
AIが生成したコードが本当に妥当か、品質要件を満たしているかは、最終的に人間や自動テストが判断しなければなりません。
ただし、UIの軽微な修正や文言変更レベルであれば、必要最低限のレビュー体制さえあればデザイナーやPdMでも手を動かせるようになってきています。
今後は、プロジェクト側が“AIを活用しやすい環境”を整えることで、非エンジニアが直接小さな修正を行うケースがますます増えるでしょう。
具体的な使い分けシーン
Case 1: 小規模なレビュー対応やバグ修正 → Devin
- 「別ブランチで出していたPRのちょっとした指摘を直す」
- 「Slackで会話していて急に思いついたUI改善をサクッと反映したい」
こんなとき、わざわざブランチを切り替えてローカル環境を起動する手間を省けるのがDevin。
Slackに「既存ブランチをチェックアウトして、関数名を変更してプッシュしておいて」と伝えるだけで作業完了。
自分は今のタスクに集中したまま進められます。
Case 2: 影響範囲が大きいリファクタ → Cursor
- 「プロジェクト全体のディレクトリ構成を変えたい」
- 「広範囲にわたるインターフェイスを作り直す」
そんな時間のかかる作業は、エディタ+AIが強力にサポートしてくれるCursorでやるのが快適です。
リソース消費も比較的おだやかなので、何度も試行錯誤して正解を探るような作業にはピッタリ。
Case 3: 開発以外の仕事が山積みのとき → Devinで並列化
ミーティング準備や採用活動、ドキュメント整備……。気がつけば「開発に集中する時間が足りない!」
そんな状況でもDevinなら複数タスクを並行して走らせ、スキマ時間に仕上がりをレビューすればOK。
スクリーンショット機能とあわせて使えば、画面確認すらSlack上で完結できるため、コンテキストスイッチが最小限です。
たとえるなら「Devinはお手伝いロボ」「Cursorはパワードスーツ」
私の場合、開発以外の業務やタスクが多く、Devinが自動的に作業を進めてくれるのは本当に助かっています。
ただしDevinはまだ“ジュニアエンジニア”感があるため、大規模な新機能開発やリファクタには不向き。そういうときはCursorという“パワードスーツ”を装着してがっつり作業しています。
もしアニメや映画のイメージでたとえるなら――
- Devin:いつも付いてきてくれる小さなロボット。人間が「ここを直しておいて!」と指示したら、とにかく自動で動いてくれる。
- Cursor:自分に装着する強化スーツ。ある程度のトレーニングが必要だが、装着すると自分の手が何倍も早く強く動くイメージ。
まとめ
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Devinは「頼れるお手伝いロボ」
- 少量のタスクをSlack経由で自動化し、あなたの隙間時間を増やす。
- 大量のファイル修正や複雑なロジックは負荷が大きく、リソース消耗も速いので苦手。
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Cursorは「装着型パワードスーツ」
- VSCodeベースでAIをフル活用し、大きめの開発タスクを自力でどんどん進めたいときに最適。
- 月額プランなので、試行錯誤が多いリファクタでもリソースを気にせず取り組みやすい。
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どちらも“魔法の杖”ではない
- あいまいな指示を出すと意図と外れたコードが返ってきやすい。
- 自動テストや静的解析など、AIが作ったコードを検証できる環境づくりが肝要。
多忙なエンジニアにとって、「お手伝いロボ」×「パワードスーツ」という2種類のAIツールをうまく組み合わせれば、日々の生産性は飛躍的に向上します。
「わざわざローカルを立ち上げなくても済む小さな修正」はDevinにサッと任せて、「腰を据えてコードをいじり倒す作業」はCursorで快適に。
このハイブリッド運用が、これからのエンジニアライフをストレスフリーにするカギになるはずです。ぜひ試してみてくださいね!