【やさしい】解説!!「データ解析学 初級」【③多変量データの扱い/基礎】

こんにちはヤク学長です。

本記事の目的は、「簡単にデータ解析学を理解する」ことを目的としています。

【本記事のもくじ】

まず、「データ解析学」に真剣に取り組むための概要を解説します。
下記の方法で、簡単に概要を抑えることができます。

  • 9.多変量データを解釈する
  • 10.数理モデリング

それでは、上から順番に見ていきます。
なお、本上記の方法を抑えれば成果が出ます。

・データ解析学を使って、必要な基礎スキルをスムーズに身につけ効率的に学ぶための記事です。

記事の内容は「転載 & 引用OK」問題ありません。

目次

9.多変量データを解釈する

探索的分析と多重検定

探索的分析とは、データを調べて構造やパターンを発見する手法のことです。具体的には、ヒストグラム、散布図、箱ひげ図などの視覚化手法や、相関分析、因子分析、クラスター分析などの統計手法があります。探索的分析を行うことで、データに潜む特徴や関係性を発見し、仮説の構築に役立てることができます。

一方、多重検定とは、同じデータに対して複数の仮説検定を行うことを指します。例えば、ある治療法が有効かどうかを調べるために、複数の指標を用いて検定を行う場合があります。このように、複数の検定を行う場合には、偶然による誤判定のリスクが高くなります。このリスクを減らすために、多重検定においては、p値を補正したり、検定を行う変数を事前に絞り込んだりするなどの対策が必要です。

探索的分析と多重検定は、どちらもデータ解析において重要な手法ですが、注意深く使用する必要があります。特に、多重検定においては、補正を行わなかった場合に偽陽性が増加するリスクがあるため、正しい結論を導くためには慎重な対応が求められます。

探索的データ分析と確証的データ分析

探索的データ分析と確証的データ分析は、データ分析の目的やアプローチにおいて異なる考え方です。

探索的データ分析は、データに何が含まれているかを見つけ出すために行われます。データの中に潜在的に興味深いパターンや関係性がある場合、それらを発見するためにデータを観察して、グラフや統計量を用いて可視化することができます。探索的データ分析によって発見されたパターンや関係性は、仮説を立てるためのヒントとなることがあります。

一方、確証的データ分析は、あらかじめ定められた仮説を検証するために行われます。この場合、データを観察して仮説を立て、その仮説を検証するための統計的テストを行います。確証的データ分析では、事前に仮説を設定しており、データの調査や分析はその仮説の検証に集中するため、探索的データ分析に比べてより形式化された手順を取ることが一般的です。

多重検定は確証的データ分析において重要な問題の1つです。多重検定とは、同じデータに対して複数の仮説検定を行った場合に、偶然による誤った結果が得られる可能性があることを指します。この問題に対処するためには、事前に検定の数を制限する、あるいはp値を補正するなどの方法があります。

検定の多重性とは

検定の多重性とは、同じデータセットに対して複数の仮説検定を行うことによって、誤った結果を得るリスクが高まる現象のことを指します。つまり、複数の仮説を検定することで、何らかの仮説が偶然成立する確率が高くなり、誤った結果が得られる可能性があるということです。多重比較誤差とも呼ばれます。

例えば、10の変数を調べる場合、それら全てについて5%の有意水準で検定を行うと、偶然に1つの変数で有意差が見られる確率が40%以上になってしまいます。このように、同じデータに対して多数の検定を行う場合には、確認すべき有意差が存在しなくても偶然に有意差が現れてしまうことがあるため、検定の有意水準を補正する必要があります。

多重性を補正する

多重性を補正する方法には、主に以下の3つがあります。

  1. ボンフェローニ補正:各検定のp値を検定数で補正する方法です。有意水準をαとすると、ボンフェローニ補正では有意水準をα/m(mは検定数)に変更します。この方法は保守的であり、誤りの割合を低く抑えることができますが、検定数が大きい場合には過剰に保守的になる可能性があります。
  2. FDR補正:偽陽性の割合(false discovery rate)をコントロールする方法です。FDRは、実際には誤りである検定結果のうち、偽陽性であるものの割合です。FDR補正では、各検定のp値を調整し、あるレベルのFDRを保証するようにします。
  3. パーミュテーション検定:実際のデータと同じ統計モデルを持つが、データをシャッフルしたものを使ってp値を計算する方法です。この方法は、実際のデータを使っていないため、多重性の問題を回避することができます。しかし、計算量が膨大になることがあるため、大規模なデータセットには向いていません。

ボンフェローニ補正

ボンフェローニ補正は、多重比較問題に対処するための方法の1つです。多重比較問題とは、同じデータセットを使用して複数の仮説を検証する場合に発生する問題で、仮説検定を複数実施することで、偶然に偽陽性の結果が得られやすくなるというものです。つまり、第一種過誤(帰無仮説が真であるにもかかわらず、その帰無仮説を棄却する誤りを犯す確率)を増加させる可能性があります。

ボンフェローニ補正は、帰無仮説を棄却するための有意水準を補正することによって、この問題に対処する方法です。具体的には、多重比較を行う仮説の数に応じて、有意水準を補正します。たとえば、5つの検定を行う場合、通常の有意水準0.05を5で割って、各検定の有意水準を0.01に設定します。これにより、第一種過誤の発生率を制御することができますが、同時に第二種過誤(帰無仮説が偽であるにもかかわらず、その帰無仮説を受け入れてしまう誤りを犯す確率)を増加させる可能性があるため、注意が必要です。

Holm法

Holm法は、多重比較の際にボンフェローニ補正よりも効率的な手法として知られています。Holm法では、検定結果をp値の小さい順に並べ、各検定のp値を有意水準を調整しながら順番に比較していきます。具体的には、以下の手順で補正を行います。

  1. 検定結果をp値の小さい順に並べる。
  2. 1番目の検定のp値を有意水準(例えば0.05)で比較する。
  3. 2番目以降の検定のp値について、以下を繰り返す。
    1. 比較する検定のp値を有意水準を順次下げながら比較する。
    2. ある検定で有意水準を下げた場合に、それ以降の検定のp値は全てその有意水準以下であるとして比較を中止する。

Holm法は、ボンフェローニ補正よりも効率的であることが知られていますが、有意水準を下げた場合に中止するため、検定数が非常に多い場合には有効でないことがあります。

分散分析と多重比較

3つ以上の比較

3つ以上の比較を行う場合、通常の検定法だと多重性の問題がより顕著に現れます。そのため、Tukey法やDunnett法などの多重比較法が使われることがあります。これらの手法は、各比較において第一種過誤の確率を一定に保ちながら、有意差がある比較のみを抽出する方法です。ただし、多重比較法でも全ての可能性を網羅するわけではないため、解析者が適切な手法を選択することが重要です。

分散分析とF検定

分散分析は、3つ以上の群間において平均値の差を比較する統計的手法です。例えば、商品A、商品B、商品Cの売り上げを比較する場合などに用いられます。

分散分析では、まず対象のデータを水準と呼ばれるグループに分割します。そして、水準内の変動(群内変動)と、水準間の変動(群間変動)の2つの変動を考慮します。群間変動が大きく、群内変動が小さい場合、平均値の差が有意に異なることが考えられます。

このように、群内変動と群間変動を比較するためにF検定が用いられます。F値は群内変動の分散を群間変動の分散で割ったものであり、この値が大きいほど平均値の差が有意に異なると判断されます。F値が一定の閾値を超えた場合、群間に有意な平均値の差があるという帰無仮説を棄却することができます。

一元配置分散分析

一元配置分散分析は、1つの説明変数(因子)によって説明される従属変数の差について検定する手法です。例えば、ある施肥の種類が作物の収穫量に影響を与えるかどうかを調べる場合、施肥の種類を説明変数、収穫量を従属変数として一元配置分散分析を用いることができます。

一元配置分散分析では、説明変数(因子)が2つ以上の水準を持つ場合、それぞれの水準での従属変数の平均値の差を検定し、その差が統計的に有意かどうかを検定します。そのため、F検定が用いられます。F検定は、分散の比を用いた検定であり、比較したい2つの分散の比が1である場合、つまり差がない場合にF値は1となります。このため、F値が1よりも大きい場合、差があると考えることができます。ただし、F値が大きくなるということは、分母と分子の両方の分散が大きくなっていることを意味するため、差があると結論づける前に分散の大きさを考慮する必要があります。

複数の要因を調べる

複数の要因を調べる場合には、二元配置分散分析や三元配置分散分析が用いられます。これらの分析では、複数の要因による影響を検討することができます。例えば、ある商品の販売量に複数の要因が影響している場合に、それぞれの要因が販売量にどのような影響を与えているのかを調べることができます。また、要因ごとにどの程度販売量に違いがあるのかを比較することもできます。

主効果と交互作用

主効果と交互作用は、複数の要因を調べた場合に用いられる用語です。

まず、主効果は、1つの要因が対象の変数に対してどのような影響を与えるかを示す効果です。例えば、肥料の種類が作物の収量にどのような影響を与えるかを調べる場合、肥料の種類という要因が主効果となります。

一方、交互作用は、2つ以上の要因が同時に対象の変数に与える影響が、単純に各要因の効果を足し合わせたものではないことを示す効果です。例えば、肥料の種類が収量に与える影響が、土壌の種類によって異なる場合、肥料の種類と土壌の種類の交互作用が存在します。

二元配置分散分析

二元配置分散分析は、2つの要因が対象の変数に与える影響を調べるための統計手法です。一元配置分散分析が1つの要因を扱うのに対して、二元配置分散分析は2つの要因を扱います。また、一元配置分散分析と同様に、各要因の主効果と交互作用を調べることができます。

F検定は、分散分析において、各効果の有意性を検定するために用いられる統計検定です。F値は、各効果の分散と誤差の分散の比を表しており、F値が大きければその効果が有意であると判断されます。

どこに差があるのか知りたいケース

差があると示された場合、どの水準間に差があるかを知りたいということでしょうか?それとも、差があると示されなかった場合に、どの水準間に差がないかを知りたいということでしょうか?具体的にどのような分析手法を用いているのかにもよりますが、一般的には事後検定(post-hoc test)を行うことで、どの水準間に差があるかを特定することができます。また、差があるかどうかを判断する際に用いるp値の閾値を調整することで、特定の水準間の比較に絞ることもできます。

多重比較

多重比較とは、複数の群間で統計的な差を調べた際に、どの群が差があるのかを比較することを言います。

例えば、ある商品について、A店、B店、C店で販売価格を比較した場合に、3店舗間に差があることが示されたとします。しかし、どの店が他の店よりも価格が高いのかを知るためには、多重比較を行う必要があります。

多重比較には、Tukey法、Bonferroni法、Scheffe法などがあります。これらの方法は、検定を行う際の有意水準を補正することによって、第一種過誤(誤った帰無仮説の棄却)の発生を防ぎます。

Tukey法

Tukey法は、多重比較手法の1つであり、複数の平均値の組み合わせに対して、どの組み合わせが有意に異なるかを比較する方法です。

Tukey法は、全ての組み合わせを比較するわけではなく、平均値の差が最も大きい2つの組み合わせだけを比較します。この最大の差をqとして、有意差がある組み合わせの平均値の差がq以上である場合に、有意に異なると判断します。また、Tukey法は、全体の誤り率を制御するために、Bonferroni補正などの手法を用いて補正することができます。

Tukey法は、実験デザインが完全にランダム化され、正規分布に従うデータに対して有効な手法です。しかし、サンプルサイズが小さい場合や、非正規分布のデータに対しては、結果が正確ではなくなる可能性があります。

相関の構造を知る

偏相関を見る

偏相関とは、2つの変数が他の変数の影響を除いた状態でどの程度関係しているかを調べる統計分析の手法です。

例えば、AとBの2つの変数がある場合、Cという影響を受ける第3の変数が存在する場合、AとBがCの影響を受けているかもしれません。この場合、単純な相関係数だけではAとBの関係性を正確に評価できないことがあります。そこで、Cの影響を除いたAとBの関係性を調べるために、偏相関を計算します。

偏相関は、AとBの相関係数から、CとA、CとBの相関係数を除いた値を求めることで計算されます。偏相関は、AとBの間の独立な関係を評価するためによく用いられます。

相関行列

相関行列は、データセット内の各変数の間の相関係数を表にまとめたものです。相関行列を作成することで、変数間の相関関係を視覚化でき、データ分析や機械学習モデルの作成に役立ちます。

相関行列は、ピアソン相関係数やスピアマン相関係数などの相関係数を使って計算されます。ピアソン相関係数は、2つの変数の間の線形相関を測定するために使用され、スピアマン相関係数は、順位データや非線形関係を持つデータの相関を測定するために使用されます。

相関行列は、分析者がデータセット内の変数の相関関係を視覚化することができるため、データセットをより深く理解するのに役立ちます。ただし、相関関係は因果関係を示すものではないため、相関行列から得られた情報に基づいて因果関係を仮定することは避ける必要があります。

偏相関係数

偏相関係数は、ある2つの変数間に他の変数の影響を取り除いた上での相関係数を指します。つまり、複数の変数がある場合に、ある2つの変数間に他の変数の影響を取り除いた上での相関係数を求めることができます。偏相関係数は、多重共線性の問題を回避するために用いられることがあります。具体的には、複数の説明変数を用いた回帰分析などで、説明変数同士の相関が高い場合に、偏相関係数を用いることでより正確な分析結果を得ることができます。

因子分析

因子分析は、多変量データの解析手法の1つで、観測された多数の変数を少数の因子にまとめることで、データの特徴を捉える手法です。因子分析では、相関行列や共分散行列から、固有値分解や特異値分解などの手法を用いて、データの構造を簡約化することができます。因子分析の結果から、因子負荷量やスコアなどを求めることができます。因子分析は、心理学や社会科学などで広く用いられる分析手法の1つです。

より複雑な関係性

潜在変数とは、観測されないが複数の観測変数の背後にある共通の因子を表す変数のことです。観測変数としては、例えば質問紙のアンケート回答、心理テストの得点、生物学的な測定値などが挙げられます。潜在変数は、これらの観測変数の背後にある、観測変数に現れない共通因子を捉えるために導入されます。潜在変数は、例えば「社交性」といった人間の性格のように、明確に観測できないものを表すことが多いです。

グラフィカルモデリング・パス解析・共分散構造分析・構造方程式モデリング

グラフィカルモデリング、パス解析、共分散構造分析、構造方程式モデリングは、複数の変数間の関係を可視化し、検証するための統計モデリング手法の一つです。これらの手法は、潜在変数モデルを用いて、複雑な変数間の因果関係を調べることができます。具体的には、観測された変数の背後にある潜在変数を考え、それらの因果関係をグラフィカルに表現することができます。また、パス係数や標準偏回帰係数などを用いて、変数間の関係性を定量的に評価することもできます。これらの手法は、社会科学や医学分野など、複雑な因果関係を持つデータ解析に有用な手法として広く用いられています。

主成分分析

主成分分析は、多変量データの情報を圧縮し、情報を損失しないままデータの特徴を要約するための手法です。主成分分析は、多変量データの相関行列を分解することによって、データセットをより少ない変数の集合(主成分)に置き換えることができます。

具体的には、主成分分析では、元のデータセットに含まれる変数の中で、最も多くの情報を持つ主成分を抽出し、次にその次に多くの情報を持つ主成分を抽出することを繰り返します。このプロセスによって、元のデータの情報を含む、より少ない変数の集合が得られます。また、主成分分析を行うことで、データセットに含まれる変数間の相関関係を明らかにすることができます。

主成分分析は、データ解析、パターン認識、画像処理などの分野で広く利用されています。

次元削減

次元削減とは、多次元データの中から主要な情報を取り出して、データを低次元に圧縮することです。例えば、多くの変数を持つデータセットがある場合、その中から主要な変数を抽出し、データを可視化や分析しやすくすることができます。主成分分析などの手法が一般的に使われます。次元削減を行うことで、データの扱いや解析が容易になるだけでなく、不要な情報を取り除くことによって、過学習を防ぐことができます。

クラスタリングとは

クラスタリングとは、データの中から似たようなものをグループ化する手法です。クラスタリングは、機械学習やデータマイニングなどの分野で広く使われています。

例えば、商品の販売データから、購入者の属性や行動傾向などをクラスタリングして、それぞれのグループに対して適切な販促戦略を立てたり、特定の病気の原因となる遺伝子をクラスタリングして、その病気の治療法を見出すなど、幅広い分野で利用されています。

非階層的クラスタリング

非階層的クラスタリングは、あらかじめクラスタの数を指定して、データをクラスタに分類する手法です。この手法には、k-means法やGaussian Mixture Model(GMM)があります。

k-means法は、クラスタ数kを指定し、ランダムに初期値を設定してから、各点と各クラスタ中心との距離を計算し、最も近い中心に分類することを繰り返すことで、クラスタリングを行います。

一方、GMMは、各クラスタがガウス分布に従っていると仮定して、クラスタのパラメータを推定することで、データをクラスタに分類します。GMMは、k-means法よりも柔軟なモデルであるため、複雑な分布を持つデータに対して有効であることがあります。

階層的クラスタリング

階層的クラスタリングは、データを階層的に分割する手法です。クラスタリングの手法の中でも最も一般的な手法で、樹形図(デンドログラム)を用いてクラスターを表現することができます。

階層的クラスタリングには、凝集型と分割型の2つの方法があります。凝集型では、最初に全てのデータを1つのクラスターとして扱い、類似度が高い2つのクラスターを結合していきます。分割型では、最初に全てのデータを1つのクラスターとして扱い、類似度が低いデータを分割していく手法です。

樹上図

樹上図(dendrogram)は、階層的クラスタリングの結果を可視化するための図です。階層的クラスタリングでは、最初に各観測値を1つのクラスタとみなし、類似度に基づいて隣接するクラスタをマージしていきます。この過程を進めることで、最終的にはすべての観測値を1つのクラスタとしてまとめることができます。

樹上図は、このクラスタリングの過程を図示するためのもので、樹木のような形状をしています。図の下部には各観測値が表示され、上部にはクラスタが表示されます。クラスタ間の高さは、マージの際の類似度を表しており、高いところほど類似度が低いことを示します。樹上図を見ることで、クラスタリングの過程や、どのようなクラスタリングが適切かを理解することができます。

各種手法の整理

説明する変数・説明される変数

「説明する変数」とは、データ解析において、分析対象のデータに対して、その変動を説明するために用いる変数のことを指します。説明する変数は独立変数や説明変数とも呼ばれます。

一方、「説明される変数」とは、説明する変数によってその変動が説明される対象の変数のことを指します。説明される変数は従属変数や目的変数とも呼ばれます。

例えば、ある商品の売上高を分析する場合、広告費や季節などを説明する変数が説明する変数であり、売上高が説明される変数となります。

探索的な分析がしたい場合

探索的な分析をする場合、主成分分析やクラスタリングなどの次元削減手法が役立ちます。これらの手法は、多次元データを低次元の構造にまとめることで、データの潜在的なパターンを明らかにし、視覚化や解析の効率化に役立ちます。また、変数の相関関係を把握するために、相関行列や偏相関係数などの手法を用いることもあります。これらの手法を組み合わせることで、データの特徴を総合的に把握し、洞察につながる知見を得ることができます。

多次元尺度構成法

多次元尺度構成法 (Multidimensional Scaling; MDS) は、高次元のデータを低次元空間に配置し、データの類似度を保ったまま可視化する手法です。データの類似度を距離として表現し、その距離を維持しながら低次元空間にマッピングすることで、データの構造を可視化することができます。

MDSは、例えば商品やブランドのイメージを可視化することで、競合他社との位置関係や差別化ポイントを把握するために使用されます。また、音声信号や生物学的データなど、様々な分野で使用されています。MDSは、主観的な判断に基づいてデータを可視化することができるため、探索的な分析に適しています。

説明変数としての影響を見たい場合

1)目的変数も説明変数も量的変数の場合は、回帰分析がよく用いられます。単回帰分析や重回帰分析、非線形回帰分析などの手法があります。

2)目的変数がカテゴリ変数で説明変数が量的変数の場合は、ロジスティック回帰分析やプロビット回帰分析などが用いられます。

3)目的変数が量的変数で説明変数がカテゴリ変数の場合は、t検定や分散分析、多変量分析などが用いられます。

4)目的変数も量的変数もカテゴリ変数の場合は、カイ二乗検定やロジスティック回帰分析などが用いられます。また、二項分布モデルやポアソン分布モデルなども用いられます。

カテゴリカルデータ

カテゴリカルデータとは、データがカテゴリ分けされたもので、数量や大きさを表す数値データではありません。たとえば、性別や血液型、好きな色などはカテゴリカルデータの例です。これらのデータは、度数分布表やクロス集計表などを用いて分析することができます。また、統計解析手法としては、カイ二乗検定やロジスティック回帰分析などがあります。カテゴリカルデータは、量的データと異なる性質を持ち、扱いに注意が必要です。

クロス集計

クロス集計とは、2つ以上のカテゴリカル変数に対して、それぞれの変数の値によってデータを集計する方法です。たとえば、商品を購入した顧客の性別と年齢層によって、購買金額を集計することができます。

例えば、ある調査で、ある商品を購入した人が、男女別・年代別にどの程度いるかを調べる場合、性別と年代をそれぞれ縦横に並べた表を作成し、交差するセルに数値を入れることで、各グループごとの割合や数値を比較することができます。

クロス集計を行うことで、カテゴリカル変数同士の関係性を視覚的に捉えることができるため、ビジネスや社会科学の分野において広く利用されています。

カイ二乗検定

「カイ二乗検定」は、カテゴリカルデータを分析するための統計的手法の1つです。具体的には、2つのカテゴリカル変数の間に関連があるかどうかを検定するために用いられます。例えば、ある食品の好みが男性と女性で異なるかどうかを調べる場合などに使われます。

カイ二乗検定では、観測された度数と期待される度数の差を比較します。期待される度数とは、2つの変数が独立であると仮定した場合に、各セルに入る度数を計算したものです。観測された度数と期待される度数の差が大きければ、2つの変数の間に関連があると考えられます。この差を統計量として、カイ二乗分布に従う確率を計算し、有意水準を設定して検定を行います。

10.数理モデリング

数理モデルとは、数学的な表現によって現象やシステムをモデル化したものであり、データを解析することや将来の予測を行うことができます。数理モデルは、統計学や物理学、工学、経済学などのさまざまな分野で活用されており、現実世界の複雑な現象をより簡単な形で表現することができます。数理モデルは、数学的な方程式や統計的なモデルを用いて、現象やシステムの背後にあるパターンや関係性を明らかにすることができます。

線形和

線形和(せんけいわ)とは、複数の数を定数倍して足し合わせることで得られる数のことを指します。例えば、aとbを実数としたとき、aとbの線形和は以下のように表されます。

a + b

線形和は、線形代数や統計学などでよく使用されます。線形和を用いることで、複数の数値データを総合的に評価したり、複雑な関係性を表現することができます。

仮定から導かれる論理

仮定から導かれる論理は、論理学の一分野である演繹論理に基づいています。演繹論理は、前提となる命題から結論を導く推論の方法であり、その過程で論理的に妥当な結論が導かれます。数理モデルにおいても、仮定から導かれる論理に基づいて、数学的な式や関係式を構築し、その式や関係式から結論を得ることができます。例えば、ある社会現象についての数理モデルを構築する場合、その現象に対する仮定を設定し、それに基づいて数学的な式を構築します。そして、その式を解析することで、社会現象に関するある種の結論を導くことができます。

1)分析したデータが説明しようとしている対象を良く代表しているという仮定

この仮定は、「サンプリングが適切である」とも言えます。つまり、分析に使用するデータが、説明したい対象を適切に表現していることを前提としています。例えば、研究対象が全ての年齢層にわたる人口である場合、全ての年齢層から十分な数のサンプルを収集する必要があります。もし、特定の年齢層のサンプル数が少ない場合、その年齢層に関する分析結果が不正確になる可能性があります。したがって、研究対象を十分に表現するサンプルを収集することが重要です。

2)データ生成のメカニズムが時間や場所で変化しないという仮定

この仮定は、データの収集が行われた時間や場所で、データ生成のメカニズムが変化しないことを意味します。例えば、ある社会現象についての調査データを分析する場合、その社会現象が調査が行われた時期や場所で大きく変化していないことが前提となります。もし、調査が行われた時期や場所で社会現象が変化していた場合、その後の社会現象の推移を予測することはできなくなります。この仮定は、「時間的安定性」と「空間的安定性」とも呼ばれます。

数理モデルの妥当性

数理モデルの妥当性は、そのモデルが説明しようとしている現象やデータを適切に表現できているかどうかによって決まります。つまり、モデルが現実のデータや現象を正確に予測できるかどうかが、モデルの妥当性を決定する要因となります。

ただし、現実のデータや現象を完全に再現することは不可能であるため、モデルの妥当性は必ずしも絶対的なものではありません。そのため、妥当性を確保するためには、複数の観点からモデルの評価を行い、それに基づいて改善を行っていく必要があります。

具体的には、モデルのパラメーターの適切な選択、異なる観点からのモデルの評価、予測結果の検証などが挙げられます。また、モデルの妥当性を評価するための指標として、予測精度、残差分析、情報量規準などがあります。

1)モデル構築に使ったデータを説明できるか

モデルが構築された段階で、そのモデルが元になったデータに適合するかどうかを確認することが重要です。つまり、モデルによって生成された予測値が、元のデータとできるだけ近い値になることを確認します。この段階でモデルが元のデータに適合しない場合、そのモデルは妥当ではありません。

しかし、モデルが元のデータに適合するだけでなく、未知のデータにも適用できることが望ましいです。つまり、未知のデータに対しても高い予測精度を維持できるようにする必要があります。これを「汎化性能」と呼びます。

適合度・決定係数

適合度(Goodness of fit)は、数理モデルが実際のデータにどの程度よく適合するかを評価する指標です。一方、決定係数(Coefficient of determination)は、回帰分析で使われる指標で、回帰式によって説明された目的変数の変動の割合を示します。決定係数は、0から1の値を取り、1に近いほど回帰式が目的変数の変動を説明できていることを示します。ただし、決定係数が高いからといって、必ずしもモデルが良いとは限りません。また、決定係数が低いからといって、必ずしもモデルが悪いとは限りません。決定係数は、説明変数の数が多い場合には過剰適合(overfitting)に陥りやすく、モデルの適合度を過大評価する傾向があるため、注意が必要です。

2)未知のデータを説明できるか

モデルの妥当性を評価するためには、未知のデータを用いた予測精度の評価が必要です。つまり、モデルによって予測された結果が、実際の未知のデータに対してどの程度正確に予測できるかを評価する必要があります。このような評価手法を検証用データやテストデータを用いた交差検証などがあります。これにより、過学習や未学習の問題を回避し、モデルの妥当性を高めることができます。

3)論理的妥当性

数理モデルの論理的妥当性は、モデルが表現している現象や理論に対して、論理的に妥当であることを意味します。つまり、モデルが表現する現象や理論が正しいと仮定した場合、モデルがその仮説を満たすことが期待されます。例えば、物理学のモデルであれば、ニュートン力学が正しいと仮定した場合に、その法則を表現できることが期待されます。また、社会科学のモデルであれば、経済学の理論が正しいと仮定した場合に、市場価格の変動などを説明できることが期待されます。このように、モデルの論理的妥当性は、モデルが表現する現象や理論が正しいという前提のもとで、モデルがその仮説を満たすことが期待されることを意味します。

目的に応じたモデリング

理解指向型モデリング・応用指向型モデリング

理解指向型モデリングとは、ある現象を解釈・理解するためにモデル化を行い、そのモデルを通じて現象を解釈することを目的としたモデリング手法です。主に自然科学や社会科学の分野で使用されます。

一方、応用指向型モデリングとは、ある特定の問題を解決するために、現実のデータを元にモデル化を行い、そのモデルを活用して問題解決に取り組む手法です。主に工学や経営学の分野で使用されます。

両者の違いは、目的や対象、手法にあります。理解指向型モデリングは、現象を解釈するためにモデル化を行うことが目的であり、そのために必要なデータを収集することがあります。一方、応用指向型モデリングは、現実の問題を解決するためにデータを活用し、実用的な解決策を提供することが目的であり、必要なデータを既に持っていることが多いです。

また、理解指向型モデリングは、解釈や理解を目的としているため、モデルの複雑さや精度よりも、モデルが提供する解釈の質が重視されます。一方、応用指向型モデリングは、現実の問題解決に必要な精度や予測力が求められるため、モデルの精度や予測性能が重視されます

理解指向型モデリングのポイント

理解指向型モデリングのポイントには以下のようなものがあります。

  1. 現象を理解するためのモデル構築 理解指向型モデリングは、現象を解明するためのモデル構築に重点が置かれます。つまり、データを分析するだけでなく、現象の仕組みを理解するためにモデルを構築することが目的となります。
  2. モデルの妥当性を重視 理解指向型モデリングでは、構築したモデルが現象を正確に表現しているかどうかを確認することが重要です。そのため、モデルの妥当性を検証する手法や指標が利用されます。
  3. 複雑な現象を扱える 理解指向型モデリングは、複雑な現象に対しても適用できる手法であることが特徴的です。多くの場合、複数の変数が相互に影響し合う現象に対して適用されます。
  4. 仮説の検証に有効 理解指向型モデリングは、仮説の検証に有効であるとされています。モデル構築にあたっては、仮説を立て、それを検証することが行われます。
  5. 学問的な観点からのアプローチ 理解指向型モデリングは、学問的な観点から現象を解明しようとするアプローチであるため、理論的背景や統計学的な手法が必要となります。また、複雑な現象を扱うために、多くの場合コンピューターによる計算が必要となります。

深層学習

深層学習(Deep Learning)は、多層のニューラルネットワークを利用した機械学習の一手法であり、広く使われる人工知能の手法の一つです。ディープラーニングは、大量のデータから特徴量を自動的に抽出して、高度な認識や予測モデルを構築することができます。

例えば、画像認識タスクでは、多数の画像データから構成される学習用データを用いて、多層のニューラルネットワークを訓練することで、自動的に特徴量を抽出し、高い精度で画像認識を行うことができます。

また、自然言語処理タスクにおいても、深層学習を利用した手法が有効であり、テキストデータから自動的に特徴量を抽出し、文書分類や感情分析などのタスクを行うことができます。

深層学習は、他の機械学習手法と比較して、膨大なデータを扱う場合でも高い性能を発揮することができるため、画像認識、音声認識、自然言語処理などの分野で幅広く活用されています。

応用指向型モデリングのポイント

応用指向型モデリングのポイントは以下のようになります。

  1. 目的に合わせたモデルの選択: 応用指向型モデリングでは、解決したい問題に適したモデルを選択することが重要です。例えば、分類問題にはロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレストなどが用いられます。
  2. データの前処理: モデルに適した形式にデータを変換するために、データの前処理が必要です。前処理の例としては、欠損値の処理、カテゴリカル変数のエンコーディング、スケーリングなどがあります。
  3. ハイパーパラメータの最適化: モデルのパフォーマンスを最大化するために、モデルのハイパーパラメータを調整する必要があります。これは、グリッドサーチやランダムサーチなどの手法を用いて実施されます。
  4. モデルの評価: モデルのパフォーマンスを評価するために、交差検証やホールドアウト法を用いた評価が行われます。また、モデルの解釈性を高めるために、特徴量の重要度の分析も実施されます。
  5. モデルのデプロイメント: 最終的に、モデルを実際に運用するために、モデルのデプロイメントが行われます。デプロイメントには、モデルのエクスポート、WebアプリケーションやAPIの作成などが含まれます。

過学習・オーバーフィッティング・汎化

過学習(overfitting)は、機械学習において、訓練データに過度に適合したモデルが生成される現象です。訓練データに対して高い精度を示す一方で、未知のデータに対しては予測性能が低下することがあります。

この現象が起こる原因としては、以下のようなものが考えられます。

  • モデルが複雑すぎる場合
  • 訓練データが少ない場合
  • 訓練データとテストデータの特徴量の分布が異なる場合

過学習を回避するためには、以下のような方法があります。

  • モデルの複雑性を抑える(例えば、正則化や次元削減を行うなど)
  • 訓練データを増やす
  • クロスバリデーションやホールドアウト法などを用いて、訓練データとテストデータの性能差を評価する

一般的に、過学習が起こりにくいモデルは、適度な複雑性を持ち、訓練データが豊富であり、訓練データとテストデータの分布に違いが少ない場合に得られます。これらを考慮した上で、モデルを適切に構築していく必要があります。

モデルによる予測

モデルによる予測とは、ある入力データに対してモデルが出力する予測値を指します。モデルを作成する際に、学習用のデータを用いてモデルを構築し、未知のデータに対して予測を行うことが目的となります。予測を行うことにより、未来の事象や現在の状況に対して、何らかの予測値を得ることができます。モデルによる予測は、機械学習や統計解析の分野で広く利用されています。

予測しやすい問題・しにくい問題

機械学習で予測する問題には、予測しやすい問題と予測しにくい問題があります。

予測しやすい問題とは、特徴量と目的変数の関係が単純で、パターンが明確な問題です。例えば、ある人の性別を予測する場合、性別に関連する特徴量(身長や体重、声の高さなど)があるため、比較的予測しやすいです。

一方、予測しにくい問題とは、特徴量と目的変数の関係が複雑で、パターンが明確でない問題です。例えば、ある顧客が商品を購入するかどうかを予測する場合、購入するかどうかに影響する特徴量が複数あり、その組み合わせや重要度がわかりにくいため、予測が困難な場合があります。

適切な特徴量の選択や前処理、適切なモデルの選択、ハイパーパラメータの調整などを行うことで、予測しにくい問題にも精度の高い予測を行うことができます。

初期値鋭敏性

初期値鋭敏性(英: initial value sensitivity)とは、数値解析において、初期値が微小に異なるだけで計算結果に大きな影響を与える現象を指します。このような初期値鋭敏性は、非線形の方程式やモデルを扱う場合にしばしば問題となります。初期値鋭敏性が強い場合、数値解法やモデルの選択に注意する必要があります。

データから大きく外れた状況は予測しやすい

一般的に、データから大きく外れた状況は予測しやすいとは言えません。実際には、外れ値や異常値を含むデータからは正確な予測が得られないことがあります。これは、外れ値や異常値がそのまま予測に影響することがあるためです。また、外れ値や異常値はデータ解析の過程で特定され、適切に処理される必要があります。

内挿・外挿

内挿とは、既知のデータの間にある未知のデータを推定することです。例えば、ある植物の生育において、10日と20日の間の成長量を求める場合、既知のデータである5日と15日のデータから、10日と20日の成長量を推定することが内挿です。

一方、外挿とは、既知のデータの範囲を超えた未知のデータを予測することです。例えば、ある植物の生育において、10日以上の成長量を求める場合、既知のデータである5日と15日のデータから、10日以上の成長量を推定することが外挿です。外挿は、既知のデータの範囲を超えた未知のデータを予測するため、誤差が大きくなりやすいという特徴があります。

線形と非線形

線形と非線形は数学や統計学の分野で使用される用語です。

線形とは、ある関数が線形であるということは、その関数が加法性と同次性を持つことを示します。つまり、関数の入力に対して、定数倍や加減算をしても出力が変わらないという性質を持ちます。例えば、y = 3x + 2 は線形の関数です。

非線形とは、ある関数が線形でないことを指します。つまり、加法性や同次性を満たさないことを示します。例えば、y = x^2 は非線形の関数です。

線形と非線形は、データの分析やモデルの構築において重要な概念です。線形モデルは、回帰分析や分散分析などの分析手法に広く使われています。一方、非線形モデルは、データの複雑な関係性をモデル化するために用いられます。

メカニズムの理解と予測

メカニズムの理解と予測は密接に関連しています。メカニズムの理解が深まれば、現象や事象をより正確に予測できる可能性が高まります。逆に、予測が正確になることで、メカニズムの理解につながることがあります。

メカニズムとは、現象や事象が発生する仕組みや原理のことです。例えば、ある薬剤が特定の疾患に効果があるのは、薬剤が体内でどのような作用をしているかというメカニズムによるものです。

一方、予測とは、未来の現象や事象がどのようになるかを予測することです。例えば、ある薬剤が特定の疾患に効果があるかどうかを予測することができます。

メカニズムを理解することで、予測の精度が向上する可能性があります。たとえば、ある薬剤が体内でどのような作用をしているかを理解することで、その薬剤がどの程度の効果があるのかをより正確に予測することができます。

また、逆に予測が正確であれば、メカニズムの理解につながることがあります。たとえば、ある薬剤が特定の疾患に効果があると予測された場合、その効果がどのようなメカニズムによるものかを解明することができます。

つまり、メカニズムの理解と予測は相互に関連しており、どちらかが進展することで、もう一方の向上につながる可能性があるということです。

トップダウン型アプローチ・ボトムアップ型アプローチ

トップダウン型アプローチとは、大局的な視点から問題を捉え、全体像を把握したうえで詳細な分析や解決策を検討する手法です。一方、ボトムアップ型アプローチは、具体的な事象や問題点から着手し、細部の分析を積み重ねながら全体像を把握し、問題解決につなげる手法です。トップダウン型アプローチは、戦略的な意思決定やビジネスプランの策定、政策立案などに適しています。一方、ボトムアップ型アプローチは、具体的な改善案の策定や、製品やサービスの改良などに適しています。両方の手法を使い分けることで、より効果的な問題解決につながることがあります。

データ不足と理解指向型モデリング

データ不足がある場合、理解指向型モデリングは有用な手法であることがあります。理解指向型モデリングでは、少ないデータでも専門家の知識や仮説を組み込むことができます。例えば、データが不足しているときには、既存の知識や文献から、説明変数と目的変数の関係を明らかにするための仮説を立てることができます。また、知識の組み込みによって、データに含まれない特徴や要因を考慮することもできます。

ただし、理解指向型モデリングには、データに基づく分析に比べて、結果が主観的であることが指摘されることもあります。そのため、理解指向型モデリングを行う場合には、専門家の知識や経験を客観的に評価するための手法やプロセスを確立することが重要です。


というわけで、今回は以上です。大変お疲れ様でした。
引き続きで、徐々に発信していきます。

コメントや感想を受け付けています。ちょっとした感想でもいいので嬉しいです。

それでは、以上です。

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