LLM(大規模言語モデル)を活用したエージェント開発が進化し、より複雑なワークフローの管理が求められるようになっています。
そんな中、注目を集めているのがLangGraph Cloud。
これは、LangGraphのクラウドホスティング環境であり、エージェントのフローを柔軟に設計・スケールさせることが可能な新しいサービスです。
しかし、
🧐 「LangGraph Cloudってどんなサービス?」
🤔 「ローカル環境と何が違うの?」
💡 「実際に使ってみるとどうなの?」
と気になる方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、LangGraph Cloudの基本機能やセットアップ方法、開発環境、デプロイ手順などを徹底検証しました!
この記事を読めば、
✅ LangGraph Cloudのメリット・デメリットがわかる
✅ ローカル開発とクラウド環境の違いを理解できる
✅ 実際に使う際のポイントや注意点が掴める
ようになります!
それでは、LangGraph Cloudの魅力と実力をチェックしていきましょう! 🚀
【本記事のもくじ】
🔹 LangGraph Cloudとは?
LangGraph Cloudは、LLMエージェントのワークフローをグラフ構造で管理するためのツール「LangGraph」のクラウドホスティングサービスです。
LangGraphとは?
LangGraphは、LLMの推論ステップをグラフ構造で表現し、状態管理を可能にするツールです。これを使うことで、エージェントのフローを直感的に構築でき、分岐・ループを組み込んだ高度な処理も管理できます。
LangGraph Cloudの特徴
LangGraph Cloudを利用することで、クラウド上でLangGraphをホスティングできるようになり、以下のメリットが得られます。
- フルマネージド環境で運用コストを削減
- 水平スケーリングによる負荷分散
- LangSmithとのシームレスな連携でトレースとデバッグが容易
- LangGraph Studioによる視覚的な開発環境
- APIやSDKを活用した外部連携が可能
🔹 LangSmithとの連携:強力なトレース機能
LangGraph Cloudで動作するエージェントの実行ログは、LangSmithによって自動的にトレースされます。
LangSmithとは?
LangSmithは、LLMアプリケーションのデバッグ、トレース、評価を行うためのツールです。LangGraph Cloudと連携することで、以下のような機能を活用できます。
- エージェントの実行履歴を可視化
- ステップごとの入出力を分析
- 異常動作のデバッグ
- パフォーマンス分析
LangGraph Cloudを利用するには、LangSmithのアカウント登録が必須となります。
🔹 LangGraph Cloudのセットアップ方法
LangGraph Cloudを利用するためには、以下のステップで環境を整えます。
1. LangSmithのアカウント作成
まず、LangSmith公式サイトでアカウントを作成します。
2. LangGraph Cloudの初期設定
プロジェクトをセットアップするには、以下のJSONファイルを作成します。
langgraph.json
のサンプル
{
"dependencies": ["./my_agent"],
"graphs": {
"agent": "./my_agent/agent.py:graph"
},
"env": ".env"
}
- dependencies: 依存ライブラリを管理(
requirements.txt
やpyproject.toml
など) - graphs: エージェントのグラフ構造を定義
- env: 環境変数の定義(
.env
ファイル)
🔹 LangGraph Studio:開発・デバッグ環境
LangGraph Studioは、LangGraph Cloudと統合された開発環境であり、エージェントの挙動をGUIで確認しながら開発できます。
LangGraph Studioの特徴
✅ グラフ構造を可視化しながら開発可能
✅ 実行結果をリアルタイムでトレース
✅ 特定のステップで処理を中断・変更可能
✅ LLMの応答をデバッグしやすい
セットアップ手順
- LangGraph Studioをインストール(現時点ではmacOSのみ対応)
- LangSmithアカウントでログイン
- プロジェクトディレクトリを選択し、Docker環境で起動
LangGraph Studioを使うことで、エージェントのフローを直感的にデバッグできるため、開発効率が大幅に向上します。
🔹 ローカル環境での開発とテスト
LangGraph Studioを使わずに、ローカルで開発・テストを行う方法もあります。
1. LangGraph CLIのインストール
pip install langgraph-cli
2. ローカルサーバーの起動
langgraph up
起動後、http://localhost:8123
でAPIにアクセスできます。
3. LangGraph SDKでのテスト
import asyncio
from langgraph_sdk import get_client
async def main():
client = get_client()
thread = await client.threads.create()
print(thread)
if __name__ == '__main__':
asyncio.run(main())
🔹 LangGraph Cloudのデプロイと運用
LangGraph Cloudの本番環境へデプロイするには、LangSmithの管理画面を利用します。
デプロイ手順
- LangSmithのコンソールにログイン
- 「New Deployment」ボタンをクリック
- GitHubリポジトリを選択し、デプロイブランチを指定
- Submitボタンを押してデプロイ開始
本番環境のAPI URLは、LangSmithのコンソールで確認できます。
🔹 実際に試してみた感想と今後の展望
LangGraph Cloudを実際に試してみた結果、以下のようなポイントが見えてきました。
✅ メリット
- LangGraph Studioを使ったデバッグが非常に便利
- 水平スケーリングにより、大規模アプリにも対応可能
- LangSmithとの連携でトレースや評価が容易
❌ 課題
- まだベータ版のため、一部機能に制限あり(デプロイ数の上限など)
- LangGraph StudioがmacOS限定(Windows/Linux対応は今後予定)
- 高負荷なアプリケーションでのスケールテストは未検証
現在の環境では、弊社のLangGraphアプリケーションをGoogle Cloud上で運用する選択肢もあるため、LangGraph Cloudの正式リリースを待ちつつ、導入を検討していきます。
あなたのプロジェクトにもLangGraph Cloudを活用してみては? 🚀