AWSを使っていると、常に公式ドキュメントを検索する場面に直面します。
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「IAMの条件式、どのドキュメントだっけ?」
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「最新のBedrockエージェントのAPI仕様は?」
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「CDK v2で推奨される構成って?」
これらを**毎回ググって、ページ開いて、探して…**という作業を繰り返していませんか?
その作業、Claudeに丸投げできるようになりました。
鍵となるのは、AWSが公式に公開した「AWS Documentation MCP Server」。
Claudeと連携することで、AWSドキュメントを自動検索・解析・回答生成してくれるのです。
MCPとは何か?|LLMと外部データの橋渡しをする仕組み🔗
MCP(Model Context Protocol)は、Anthropicが提案するLLMと外部リソースを接続するための標準プロトコルです。
つまり、
「Claudeが“自分で情報を取りに行って”答えてくれるようになる」
という世界観を実現するものです。
MCPは下記のようなステップで動作します:
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LLMがユーザーの問いを受け取る
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MCPサーバーに対して「どの情報が必要か」を判断
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外部データ(AWSドキュメントなど)を検索・取得
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LLMが情報を読んで回答を生成
Claude Desktopは、これにネイティブ対応しています。
AWS MCP Serverとは?|公式ドキュメントをAPI検索できるサーバー🧠
AWS Labsが提供するMCP対応サーバー群の中で、特に注目されているのが
🔹 aws-documentation-mcp-server
このサーバーは、以下の機能を持ちます:
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AWS公式の検索APIを使ってドキュメントを探す
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関連ドキュメントを自動推薦
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Markdown形式でLLMが扱いやすい構造に変換
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ClaudeなどのMCPクライアントと連携して“回答素材”を供給
つまり、ClaudeがAWS公式ドキュメントの中を自由に探索して、読みながら回答してくれるようになります。
Claudeとの統合|Desktop版での具体的な導入手順🧑💻
✅ 必要な環境
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macOS 14.5(またはそれ以降)
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Claude Desktop(Claude 3.7 Sonnet)
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Python 3.10+
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uv
(AstralのPythonパッケージマネージャー)
✅ インストールと設定ステップ
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uvとuvxをインストール
curl -Ls https://astral.sh/uv/install.sh | sh
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Claude Desktop を開いて設定ファイルを編集
設定 > 開発者 > 構成を編集
を開き、以下を追加:
{
"mcpServers": {
"awslabs.aws-documentation-mcp-server": {
"command": "/Users/あなたのユーザー名/.local/bin/uvx",
"args": ["awslabs.aws-documentation-mcp-server@latest"],
"env": {
"FASTMCP_LOG_LEVEL": "ERROR"
},
"disabled": false,
"autoApprove": []
}
}
}
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Claude Desktopを再起動
起動後に🧠のようなMCPアイコンが表示されれば成功です。
ツール名「read_documentation」などがリストに出てきます。
実際に使ってみた|AWSに関する質問を投げてみる💬
試した質問:
「Claude 3.7 Sonnetは東京リージョンで使える?」
ClaudeはMCPサーバーを使って即座にAWSドキュメントを検索。
関連情報を公式から直接取得し、信頼性の高い回答を提示してくれました。
さらに、他リージョンの使用制限、クロスリージョン推論の挙動なども含め、想定以上の詳細情報が返ってきました。
ほかに使えるAWS MCPサーバーたち📚
Claudeと接続できるAWS MCPサーバーは、実はこれだけではありません。
✅ 一部紹介:
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bedrock-kb-retrieval-mcp-server
:Bedrockナレッジベースを自然言語検索 -
cost-analysis-mcp-server
:AWSコスト分析をAIに指示できる -
cdk-mcp-server
:最新CDKベストプラクティスの導出 -
nova-canvas-mcp-server
:画像生成機能(Amazon Nova連携)
用途に応じて、Claudeがクラウド開発の“共創パートナー”になる未来が広がっています。
RAGとの違い|Claude MCPは「自ら考え、自ら探す」🧠
従来のRAG(Retrieval Augmented Generation)は、あらかじめ決められたドキュメントを元に生成されるため、
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更新されない情報に基づく
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検索精度が悪ければ不正確
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前処理(インデックス作成など)が必要
という制約がありました。
一方、Claude MCPは:
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LLMが自律的に「今必要な情報」を判断
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APIを介して“生きた情報”を探しに行く
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回答プロセスも“エージェント的”に思考
という、より高度な知的作業を自動化できる仕組みです。
Claude Desktopの料金体系とコスト面の利点💸
Claude Desktopは定額サブスクリプション。
ChatGPT PlusやPerplexity Proと違い、従量課金の不安なく使い倒せるのが魅力。
また、VSCode版やAmazon Q CLIとの統合も進んでおり、開発者向けAI環境としての完成度は高いです。
セキュリティと運用上の安心感🔒
AWS MCPサーバーは、Microsoft AzureやGitHub経由でも利用されており、
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オープンソースとしての透明性
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Microsoft認定のセキュリティ基準
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商用利用にも耐えうる設計
を満たしているため、エンタープライズ用途でも安心して利用できます。
まとめ|Claudeに“読ませる時代”がやってきた🚀
✅ Claude × AWS MCPは、検索・調査・回答生成までAIに任せる革新技術
✅ AWSドキュメントを「探させて答えさせる」次世代ワークフロー
✅ RAGを超える精度と柔軟性で、AI活用を一歩先へ
✅ Claude Desktopなら定額で使い放題。VSCode版も視野に入れるとさらに可能性大
AWSを日常的に扱う技術者やビジネス担当者にとって、Claude × MCPはまさに“情報探索の最終形態”です。